膵臓がんを早期発見する当院の取組みについて

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目次

    膵臓がんとは

  1. 近年増加傾向にあり、罹患すると死亡率が一番高い癌である膵臓がん。
    死亡率が高い原因は
    (1)発見がしづらく
    (2)発見しても治療がしづらい
    ことが原因です。
      発見しづらい
    1. 膵臓は胃の裏側にあり、曲がりくねった細長い臓器です。超音波では体の奥にあるため一部は不明瞭となりやすく、CT検査やMRI検査でも膵臓の小さな病変は容易に診断可能ではありません。胃の通常の内視鏡検査では膵臓は観察不能で、採血の腫瘍マーカーも早期のものは正常範囲内のことが多く見られます。膵臓がんの初期段階では自覚症状もない場合が多く、自覚症状が出現時には進行している場合が多いのです。
    2. 治療しづらい
    3. 膵臓は比較的薄い臓器のため、癌が発生すると膵外に浸潤しやすく、周囲の重要な血管に浸潤したり、転移があれば手術できないことも多くあります。
      このように膵臓がんは発見時に手術出来ない方が多く見られるほか、手術も難易度が高く、治療成績も全ての癌の中で最も成績の悪い癌です。
      しかし、早期発見の小病変の場合には、最近は腹腔鏡下手術も行われるようになり、良好な成績が得られています。

    膵臓がんのStage別5年以内に死亡する方の割合

  1. 以下の表の通りとなっています。Stage0(非浸潤癌)の状態で膵臓がんを見つけることが出来れば極めて高い確率で5年後も生存していられますが、それ以外の場合には5年後に生存している確率は低くなってしまっています。
    出典:国立がん研究センター がん情報サービス
    出典:膵癌早期診断の現状―膵癌早期診断研究会における多施設研究の結果をもとに―
    出典:UICC: TNM Classification of Malignant Tumours, 8th Edn. Wiley-Blackwell; 2017.94-95.
    (注)画像をクリックすると大きく表示されます。

    膵臓がんを早期発見するために

    1. 膵臓がんを早期発見する必要性
    2. 2.膵臓がんのStage別5年以内に死亡する方の割合」における5年以内に死亡する方はStageⅠで52.5%、Stage0の場合には14.2%まで抑えることが出来ます。
      具体的には、膵臓は比較的薄い臓器のため、癌が発生すると膵外に浸潤しやすく、周囲に重要な血管に浸潤したり、転移があれば手術できないことも多くあり、膵臓がん発見時に手術出来ない方が多く見られます(StageⅡ~Ⅳでの発見の場合が多い)。手術も難易度が高く、治療成績も全ての癌の中で最も成績の悪い癌です。
      しかし、早期発見の小病変の場合には、最近は腹腔鏡下手術も行われるようになり、良好な成績が得られています。
    3. 膵臓がんを早期発見するための工夫
    4. 膵臓がんを早期発見するために以下の工夫をしています。
      1. ・画像上の危険因子をガイドライン(病院で一般的に行う診療基準)よりも多く設定しています。
        ガイドラインではIPMN(膵嚢胞の一部)、膵管拡張を危険因子として取り扱っていま すが、当院では ①膵嚢胞②膵管及び分枝膵管の拡張等③膵の限局的萎縮、くびれ④膵石灰化(慢性膵炎、膵石)を危険因子としています。
      2. ・上記の画像上の危険因子をそれぞれ単独で見ると共に、複合的にも見ていくことで以下の効果が出ています。
      3. 適切な経過観察期間の設定
      4. 膵臓がんの存在確認の検査(EUS等)を推奨する精度向上
  1. AIC画像検査センターの
    膵臓がんに対する取り組みについて
    膵臓がんについて考えた 
    どうしたら検査が出来るのか?
    膵臓外来を予約する ∨
      早期膵がんを発見するための検査
    1. 早期膵がんを発見するための検査MRI(MRCP含)検査、または、CT検査、超音波検査にて画像上の危険因子の探索が可能です。
      MRI、CT検査の場合、造影を行うか否かは当センターへ一任されることをお勧めします。
      1. ・当院MRI検査の特徴
        膵臓疾患は膵管を描出することが必須です。上部消化管カメラと造影剤を利用したERCP検査が主流でしたが、MRI装置は、生体内の胆汁、膵液を利用して造影剤を利用することなく、ERCPに類似する画像=MRCPを食事制限のみで実施することが可能です。当院ではMRCPを積極的に行っており新たに導入した1.5テスラMRI、又は、3.0テスラMRIを利用しています。現在、MRI 3台稼働してますが、そのうちの2台が膵臓疾患検査に適した装置となっています。
      2. ・当院CT検査の特徴
        膵臓疾患は膵管を描出することが必須です。当院は320CTを採用しており数秒の呼吸停止でブレのない画像を得ることが可能です。この画像からコンピュータを用いて画像処理を行ない膵管を抹消まで描出します。
        320列CTは16センチの距離を1回転=0.275秒で描出することが可能です。これは、膵臓を1ショット撮影を行なうことが可能であること意味しています。
    2. 早期膵がんの画像上の危険因子
    3. 膵臓がんの出現が予想されるタイミングを調整し、膵臓がんの存在確認の検査(EUS等)を実施するために、当センターの「EUS等の実施基準」に記載されている以下の内容を画像上の危険因子と定義し、経過観察を行っています。
    4. ①②に加え、③④を加えてみることで、①②の基準だけでは指摘が困難な症例について膵臓がんの可能性を指摘することが出来たり、まだ画像上は見えない周囲所見にがんを疑う事例が拾えています。これらが超早期または早期膵がんの指摘となるため、当センターでの独自基準に③④を残しました。
    5. 既に消化器内科の先生方とのすり合わせを行った上で、膵臓がんを超早期~早期で拾い上げるための基準として使用しています。
      • ①膵臓がん危険因子 膵嚢胞(IPMNを含む)(事例紹介)

        膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)と膵癌の関係性が既にわかっており、IPMNが見つかった場合には経過観察を行います。
        IPMNだけでなく、膵嚢胞と診断された場合の発癌リスクは膵嚢胞がない人の約3~22.5倍高いとの報告があり、超音波やMRIで半年~年周期での経過観察を推奨しています

        事例当センター症例です。膵のう胞自体はがんではありません。
        しかし、この近傍にがんが発生することが多いため、定期的な
        経過観察を継続することを推奨し、早期発見につながりました。

        1年前CT画像1年前CT:膵嚢胞指摘なし、超音波では膵嚢胞指摘あり。

        診断時CT画像1年後の超音波検査にてのう胞+充実性腫瘤26mm 膵頭部がん疑われた。CT検査にて膵臓がんと診断(StageⅠ)

      • ③膵臓がん危険因子 膵の限局的萎縮、くびれ(事例紹介)

        近年、初期の膵癌で膵実質の限局的な萎縮がみられる場合があることがわかってきました。
        限局的な萎縮や主膵管の広狭不整等が同時に認められる場合には、EUS(超音波内視鏡)等の精密検査を強く推奨しています。

        事例当センターの症例です。急性膵炎を疑ったCT検査でしたが、「EUS等推奨基準」に従い診断し膵臓がんを疑いました。EUS検査を推奨したところ、膵臓がんを発見することができました。

        診断時CT画像①

        診断時CT画像②


        急性膵炎疑いにて検査
        超音波, CTにて膵体部に著明なくびれ様萎縮と主膵管の狭窄、尾部主膵管軽度拡張(2mm)を認めた。

      • ④膵臓がん危険因子 膵石灰化(慢性膵炎・膵石)(事例紹介)

        膵実質にできる「石灰化」、膵管の中にできる「膵石」は多くが慢性膵炎にみられる所見です。
        石灰化や膵石に近接した部位には、非常に長い期間をかけて発癌することがわかってきており、共に膵癌のリスクファクターです。中でも膵石は膵癌の危険度が健常人に比べ約27倍と膵癌の高危険群で、膵癌症例における膵石の合併頻度は4.5%との報告があります。
        石灰化、膵石所見が見つかった場合は半年~1年周期で超音波検査やMRI検査・CT検査等で経過観察を推奨しています。

        膵石灰化している画像

        事例経過観察期間が開いてしまったことで発見時StageⅢとなって
        しまいました。

        2年4か月前CT画像非造影CT検査:体尾部移行部に脾動脈壁と考えられる不整な石灰化

        診断時CT画像2年4ヶ月前のCTで体尾部に不整な石灰化が認められ、2ヶ月後、6ヶ月後のUS検査でフォローするも「異常なし」。その後、1年8ヶ月の間フォローせず、念の為US検査をしたところステージⅢの膵尾部がんとなってしましました。

    6. 【注意】

      膵臓がんの画像上の危険因子は膵臓がんではありません。
      膵臓がんが出現する可能性があるという段階であることを示すに過ぎません。
      膵臓がんの画像上の危険因子があることで過度の悲観はしないで、むしろ危険因子を経過観察することで膵臓がんをStage0で見つけ、膵臓がんが出てきても完治を目指すことを目標にしていただければと考えています。

    7. 膵臓がんの危険因子
    8. 膵臓がんの危険因子は
      ①膵臓がんの家族歴、
      ②糖尿病、
      ③慢性膵炎、
      ④肥満、
      ⑤喫煙、
      ⑥大量の飲酒
      です。
      これらに該当する方は画像上の危険因子に注意が必要ですし、これらに該当しない方でも50歳以上の2人に1人は癌になる時代ですので年齢を追うごとに注意が必要です。
    9. 膵臓がんの画像上の危険因子の経過観察期間について
    10. 膵臓がんの画像上の危険因子は、数年間大きな変化なく経過することが多いですが、初期の膵臓がんが生じると変化が早まります。この変化を逃さず捉えるために当初は(例え著しい変化が無くても)1年程度の間隔での経過観察を推奨しています。
    11. 画像上の危険因子に変化が現れた場合には、その程度により経過観察期間を短めに設定したり、膵臓がんの存在確認の検査(EUS等)を推奨していきます。
    12. この取組みで超早期がんが発見された事例
    13. ⇒病理診断の結果:Stage0の膵臓がん

      主膵管の拡張軽微です。腫瘤形成は認められず、膵臓がんを疑わない場合が多い事例です。当センターでは、くびれ様の限局的萎縮から膵臓がんの存在を疑い、詳細に所見を検討しました。造影はDynamicで所見確認できませんでしたが、遅延相での濃染域を認め、膵臓がんの可能性を指摘しました。

      ⇒病理診断の結果:Stage0の膵臓がん

      画像診断報告書(診療情報提供書)

      氏名
      撮影内容 上腹部CT 造影 有
      疾患名又は臨床診断・検査の目的
      【診断名】急性膵炎
      【症状経過】昨年11月に上腹部痛、吐き気、左脇腹痛が出現→膵炎を指摘されていたが,特に治療されずにその後も時々発作を繰り返していた。
      1/23の当センターのデータでP-Amy/Lip:1353/712(<50/<49)、Elastase1:3349(<300)と上昇有り。膵及び膵周囲炎症の程度、膵炎の原因となりそうなtumorの有無など精査をよろしくお願い致します。
      所見
      膵体尾部移行部は一部くびれ様の限局的な萎縮を示します。膵に明瞭な腫瘤形成は認められませんが、同部で主膵管はやや不明瞭となり狭窄が疑われ、尾部の主膵管は2mm程度ですが僅かに拡張気味です。造影Dynamicの早期相で明瞭な濃染不良域は認めませんが、遅延相では境界不明瞭な濃染域(約2cmほど)を認めます。膵癌の可能性を考慮し精査が必要です。

      膵周囲、傍大動脈にリンパ節腫大はみとめません。
      肝右葉に小嚢胞を数個認めます。
      胆嚢・総胆管に明らかな異常を認めません。
      脾・腎・副腎に明らかな異常を認めません。
      骨盤内に明らかな異常を認めません。
      診 断
      膵体尾部移行部萎縮+遅延濃染
       :比較的早期の膵癌の可能性があります。精査をお願いいたします。
      ⇒病理診断の結果:Stage0の膵臓がん

      数年前との比較検査です。主膵管壁の不正、蛇行、広狭不正を指摘しており、主膵管の拡張もありますがいずれも軽微であり画像上はこれを強く指摘して良いか判断に迷うこともあるような画像です。 現状、ガイドラインには存在しない膵体部の萎縮について前回よりやや萎縮の程度が強くなっている可能性があるとの印象から詳細に所見を検討しました。当検査は非造影の検査でありましたが、脂肪抑制T1画像にてくびれ部分に低信号域が存在していることから膵臓がんの可能性を指摘しました。

      ⇒病理診断の結果:Stage0の膵臓がん

      画像診断報告書(診療情報提供書)

      氏名
      撮影内容 MRCPMRI 造影 一任→無
      疾患名又は臨床診断・検査の目的
      【診断名】慢性膵炎悪化疑い
      【症状経過】USで膵輪郭の不整と膵管の拡張1.8-3.4mmを認めました。
      以前貴院でMRCP実施しております。比較お願いします。
      所見
      2015/03/19のMRI検査と比較しました。
      膵体部にくびれ状の萎縮を認めます。見直すと前回も同様の萎縮が見られていましたが、今回はくびれ状の部分に11mmの脂肪抑制T1WI低信号で11mmの低信号が出現しています。MRCPではくびれ状の部分に主膵管壁の不整が見られます。(図1-4)
      膵体尾部(上記くびれより膵尾部側)に不均一な萎縮を認め、主膵管の軽度蛇行、広狭不整、軽度分枝拡張が見られます。膵鉤部には6mmの嚢胞膵頭部の軽度分枝拡を認めます。(5-6)
      主膵管は最大3.4mmに軽度拡張しています。(図4-5)

      肝、左腎に微小嚢胞を認めます。 胆嚢、副腎、脾臓に異常所見を認めません。 上腹部にリンパ節腫大、腹水貯留を認めません。
      診 断
      膵体部のくびれ状萎縮。脂肪抑制T1WI低信号と主膵管壁の不整が出現しています。
      膵体尾部の不均一萎縮、主膵管広狭不整、軽度分枝拡張。
      膵頭部嚢胞、軽度分枝拡張。
      主膵管の軽度拡張。
       :膵体部に初期の膵腫瘍が疑われます。
      造影CT検査やEUS、細胞診(ENPD/FNA)などの精査をおすすめします。
      肝、左腎の嚢胞。
      ⇒病理診断の結果:Stage0の膵臓がん

      事例2のすぐ後の再検査です。事例2の検査後、病理診断前に造影CT検査依頼が来ました。主膵管の広狭不正と主膵管のわずかな狭窄、膵実質のくびれに関しては同様の指摘です。MRIにて指摘した箇所にDynamicでの所見は確認できませんでしたが、遅延相での濃染域を認め、膵臓がんの可能性を指摘しました。

      ⇒病理診断の結果:Stage0の膵臓がん

      画像診断報告書(診療情報提供書)

      氏名
      撮影内容 胸部~骨盤CT 造影 有
      疾患名又は臨床診断・検査の目的
      【診断名】s/o Pancreatic Ca、
      【症状経過】前回貴院CTで「膵体部に初期の膵腫瘍が疑われます。 造影CT検査やEUS、細胞診(ENPD/FNA)などの精査をおすすめします。」と
      診断されました。胆膵精査+肺・骨盤スクリーニングをよろしくお願い致します。
      所見
      <前回MRI2019/04/15と比較しました。>
      膵体部主膵管に広狭不と周囲に分枝拡張と主膵管の僅かな狭窄を認め、同部の膵実質は前後方向でくびれ様萎縮を認めます。(図1-5)同部で早期濃染不良域は認めませんが、門脈相~平衡相で小さな後期濃染(6mm程)を認めます。(図6)早期膵癌(CIS(Tis)もしくは微小な腫瘤形成のstageⅠb以下)の存在が疑われます。EUS-FNA/ENPDなどで精査をお願いいたします。
      膵尾部には小嚢胞を数個疑います。(図7)頭体部にも小さな低吸収域を認め、微小嚢胞や脂肪置換を疑います。膵頭鉤部には石灰化を認め、背景に慢性膵炎の存在を疑います。(図8)
      肝右葉に小嚢胞を認めます。
      左腎に微小嚢胞を認めます。
      胆嚢・脾・右腎・副腎・膀胱に明らかな異常を認めません。
      傍大動脈リンパ節腫大を認めません。
      腹部大動脈は中等度~高度の壁石灰化を認めます。動脈瘤は認めません。
      左卵巣静脈の拡張蛇行を認めます。
      子宮底部には32mmの漿膜下筋腫を認めます。
      両付属器には明らかな腫瘤は認めません。
      病的な腹水貯留は認めません。
      腰椎海綿骨CT値はやや低下していますが、明かな骨粗鬆症変化は認められません。
      左肺上葉S1+2に脈管・気管支の引きつれを伴うすりガラス影(10x10x7mm)を認めます。炎症後変化・異型腺腫様過形成(AAH) や上皮内腺癌(AIS)などが考えられます。経過観察もしくは胸腔鏡下生検(VATS)など検討下さい。
      両下肺野に軽度の炎症後変化を認めます。
      左肺下葉にすりガラス影を認めますが、こちらは炎症後変化と考えます。
      冠動脈は3枝とも高度の壁石灰化を認め、冠動脈疾患の存在が疑われます。必要あれば冠動脈CTなど検討下さい。
      肺門・縦隔にリンパ節腫大は認めません。
      胸水貯留は認めません。
      診 断
      ①膵体部主膵管広狭不整・狭窄+分枝拡張+くびれ様萎縮+後期濃染域(6mmほど):早期膵癌(CIS(Tis)もしくは微小な腫瘤形成
      のstageⅠb以下)の存在が疑われます。EUS-FNA/ENPDなどで精査をお願いいたします。 ②膵小嚢胞数個:IPMNなど疑い ③膵
      石灰化:慢性膵炎疑い
      ④左肺すりガラス影(10x10x7mm):炎症後変化・異型腺腫様過形成(AAH)や上皮内腺癌(AIS)など。経過観察もしくは胸腔鏡下生検
      (VATS)など検討下さい。
      ⑤冠動脈石灰化高度:冠動脈疾患疑い:冠動脈CTなども検討下さい。 ⑥動脈硬化性変化(中等度~高度) ⑦肝・左腎嚢胞 ⑧子
      宮筋腫(漿膜下32mm):左卵巣静脈拡張・蛇行
      参照画像は2枚ございます。タップで切り替わります。
      ⇒病理診断の結果:Stage0の膵臓がん

      膵臓がんを疑うサイズのIPMNを発見しました。
      病理検査を行う際の手技は複数あり、どれを行うかを示唆するため、IPMN内部の充実部を探し指摘をして結果を返送しています。
      この方は、IPMNのサイズが大きく病理検査をすべきサイズとなることが予想され、他の医療機関でも初期の膵臓がんが見つかる可能性の高い事例でした。

      ⇒病理診断の結果:Stage0の膵臓がん

      画像診断報告書(診療情報提供書)

      氏名
      撮影内容 上腹部~骨盤CT 造影 有
      疾患名又は臨床診断・検査の目的
      IPMN精査
      所見
      【腹部造影CT】
      膵頭部に主膵管と連続する47x30x18mmの多数の隔壁を伴った多房性嚢胞性病変を認めます(図1-3)。主膵管も頭部4mm,体尾部3mmと拡張を認めます(図4)。IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)と考えます。頭部の多房性嚢胞は隔壁やや肥厚し、一部は淡い結節状に認められる部位も認めますが、隔壁の一部の可能性もあります(図4)。頭体部移行部の主膵管内に2mm程の微小な濃染結節を1-2個認めます。微小のため偽病変の可能性もありますが、主膵管内の乳頭状病変の可能性も否定できません。(図5-8)
      ・小さな肝嚢胞を散見します。
      ・胆、脾、腎、副腎に特記すべき異常は指摘できません。
      ・子宮左後壁に45mmの石灰化を伴う漿膜下筋腫を認め(図9)、子宮右前壁には60mmの濃染不良で淡く結節状濃染部も伴っ
      た腫瘤を認めます。こちらも変性した漿膜下筋腫もしくは右卵巣線維腫を疑います。(図10,11)
      ・膀胱に特記すべき異常は指摘できません。
      ・便秘傾向です。その他、消化管に明らかな粗大病変は同定できません。消化管については内視鏡にてご確認下さい。
      ・腹部に有意なリンパ節腫大なし。
      ・腹水なし。
      ・左肺舌区に網状影、索状影あり(図12)。炎症後変化疑い。
      診 断
      膵分枝型IPMN+主膵管の軽度拡張
       :頭部多房性嚢胞は47mmと大きく、隔壁に肥厚部あり、微小充実部の可能性もあり
        頭体部移行部の主膵管内に微小濃染結節あり、R/O 乳頭状病変
        悪性病変併存の可能性(IPMN divided IPMC s/o)あり、EUS、細胞診など確認下さい。
      漿膜下筋腫疑い(45mm,60mm):右前壁60mmは右卵巣線維腫と鑑別必要
      肝嚢胞
      左肺舌区の炎症後変化
      参照画像は2枚ございます。クリックで切り替わります。
      ⇒病理診断の結果:Stage0の膵臓がん

      微小嚢胞、主膵管の軽度狭小化を認めた事例です。 嚢胞、主膵管の狭小化軽微でしたが、膵実質の不均一萎縮、膵体部のくびれ状萎縮を認めたため、詳細に所見を検討しました。 結果、くびれ状萎縮部にDWI高信号、造影後の遅延相に後期濃染域を認めたことにより、膵臓がんの可能性を指摘しました。

      ⇒病理診断の結果:Stage0の膵臓がん

      画像診断報告書(診療情報提供書)

      氏名
      撮影内容 MRCPMRI 造影 有
      疾患名又は臨床診断・検査の目的
      【診断名】mild chronic pancreatitis+膵体部限局的萎縮、MPD dilatation、Fatty Liver+Cysts、GB Polyp、Bilateral Renal Cysts、Rt Renal
      Calcification
      【症状経過】前回貴院CTで「膵体部限局的萎縮  :明らかな悪性所見は指摘できませんが、悪性病変の初期変化の事があり注意が必要です。
      」と診断されました。当院USでMPD:3.9mmとdilatation+、体部楔状変形ありますが明らかなtumor認めず。胆膵精査をよろしくお願い致します。
      所見
      2019/01/19のMRI検査と比較しました。
      膵実質の不均一萎縮、体部のくびれ状萎縮を認めます。萎縮の程度は著変ありません。(図1)
      膵体部のくびれ状萎縮部はDWI高信号で、造影後に遅延性の増強効果が見られます。MRCPでは微小嚢胞と主膵管の軽度狭小化が見られます。これらは以前の検査より明瞭になっています。(図1-5)
      主膵管は膵頭部で屈曲蛇行し、副膵管の描出があります。
      肝実質の脂肪含有率は6%程度で軽度脂肪肝です。(図6)
      肝、両腎に嚢胞が散在しています。(前回CTでS4血管腫としたものも、嚢胞のようです)
      胆嚢ポリープについてはMRI上は不明瞭です。
      副腎、脾臓に異常所見を認めません。
      消化管に粗大病変を認めません。
      上腹部にリンパ節腫大、腹水貯留を認めません。
      診 断
      膵体部のくびれ状萎縮+DWI高信号+遅延性増強効果+主膵管狭小化。(図1-5)
       :腫瘍初期病変を疑います。EUS、細胞診などさらなる精査をご検討ください。
      軽度脂肪肝。(図6) 肝、両腎の嚢胞。

      膵臓外来」について

    1. (1)経過観察対象範囲の違いについて
      上記3(1)に定める膵臓がんの画像上の危険因子のうち、
    2. ①膵臓がん危険因子膵嚢胞(IPMNを含む)
      ②膵臓がん危険因子主膵管及び分枝膵管拡張等
    3. この2つについては、多くの病院で経過観察を行っています。
    4. ③膵臓がん危険因子膵の限局的萎縮、くびれ
      ④膵臓がん危険因子膵石灰化(慢性膵炎・膵石)
    5. については反対にほとんどの病院では経過観察の対象から外れています(これは消化器内科の抱えることが出来る患者数に限界があることに拠ります)。
    6. 当センターでは③、④の方、①、②の方で他の病院では経過観察を終了した方の経過観察を積極的に行っています。

      膵臓外来の予約方法

    1. (方法1)お電話にて、外来をご予約ください。TEL 0120-973-019
    2. (方法2)下記フォームに必要事項をご入力のうえ、お申込みください。
    3. ご希望日程 (必須)
    4. ※ 予約状況によりご希望日に予約が取れない場合もございます。
    5. 第2希望日の入力をお願い申し上げます。
    6. ※ 当外来は、毎週木曜日9:00-13:00です。
    7. 第1希望日

       

      第2希望日

       

      第3希望日

       

      お客様情報




    AIC画像検査センター

    ご不明な点などございましたら、下記までお問い合わせください。
    〒305-0005 茨城県つくば市天久保2-1-16
    医療法人社団豊智会 AIC画像検査センター (旧名称:つくば画像検査センター)
    お問い合わせTEL 029-875-9970